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益子の地で200年以上続く「藍」


益子に来たら訪れてみたい、この地で200年以上続く「藍」

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城内坂の交差点にひっそりと昔ながらの佇まいでいるこちらの場所を皆さんご存知でしょうか?

益子の町を散策していると「なんだかちょっと雰囲気が違う、なんだろう?」と思わず足を踏み入れてしまう空間。こちらは、2016年10月30日より陶芸メッセ・益子「益子陶芸美術館」にて行われている「エセルに誘われて・・・ 日下田正とエセル・メーレ」展で数々の展示をされている日下田正さんの工房「日下田藍染工房」なんです。

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今回は今から220年以上前(江戸時代寛政初期1789年)に栃木県益子町にて創業した「日下田藍染工房」にお邪魔してきました。

220年前の創業当時に建てられたというこの建物。中に入ると自然の光だけですこし薄暗いなかに並ぶのは、たくさんの藍染の甕。この甕もこの建物が建てられた時から関東大震災や東日本大震災などにも耐え一つも壊れずに今まで使われているそうで、静かななかにきりっとした緊張感をはらんだ歴史を感じる空間です。

この土のように見えるもの、なんだと思いますか?

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こちらは藍の葉を腐葉土にしたもので「蒅(すくも)」と呼ばれるもの。これが藍染の原料、藍色のもとになるものです。この土色のものがあの鮮やかな色に…、びっくりです。

「日下田藍染工房」で使用している「蒅(すくも)」は徳島産のもので、種まきから10か月をかけて作られるとても高級なもの。2月の末から3月の初めの大安の日に種をまき、花が咲く直前の充実した葉をすべて刈り取り、4か月かけて腐葉土にするそうです。その「蒅(すくも)」を甕で発酵させていきます。

甕は4つで一組になっていて、真ん中に火床という穴があります。藍の発酵を助けるためにおがくずを燃やして温度を保ちます。濃度がなくなったら中身を捨て新たに蒅(すくも)を加え発酵を始めるそうですが、甕は洗わないということで、甕の中には220年前から息づく発酵菌がいるとのこと。もう、すごいなぁというしかありません。

1つ1つの行程に手間暇をかけ、そして歴史も掛け合わされてできた染色液に糸や布をつけて温かみのある藍染の作品が生まれるんですね。

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最近ではジーンズなどに使われる石油系の染料が開発され、比較的安価に染められることもあり、このように本当の「藍」で染める藍染の工房はどんどんと減っているようです。時代の流れではありますが、こういった昔ながらの技術・手仕事に触れるといろいろなことを考えさせられます。

建物を奥に進み中庭を抜けると、織り機や作品の展示スペースもあり見学することができます。

今回は見ることが出来ませんでしたが、午前午後の休憩・お昼休みを除く時間は実際にこちらの織り機を使用して作業をしていて、その様子も見学できるとのことでした。

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「益子陶芸美術館」で行われている「エセルに誘われて・・・ 日下田正とエセル・メーレ」展で圧巻だった虹色の「草木染のグラデーション」。実はこの作品は現在「道の駅ましこ」でも展示されています(下写真左)。また、日下田藍染工房の展示スペースでも見ることができました(下写真右)。美術館では本当に圧倒されるようなインパクトを、そしてこちらの展示スペースではゆったりとした静かな温かみを、そして太陽光の入る道の駅では元気でさわやかな雰囲気を感じて、同じものでもこんなにも印象が変わるものかと感心させられました。自然の中からこんなにも鮮やかな色を取り出すことが出来るのかと思うと、長い歴史の中で常に技術や新しい可能性を追い求めてきた工房の人達の姿を感じることが出来るようで、本当に驚かされました。

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2017年1月29日まで陶芸メッセ・益子「益子陶芸美術館」にて行われている「エセルに誘われて・・・ 日下田正とエセル・メーレ」展とあわせて、220年前から現在へとつづく歴史を感じることが出来る「日下田藍染工房」を訪れてみてはいかがでしょうか?

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「日下田藍染工房」については益子舘HP「里山の旅」ページの「これぞ伝統技法!ジャパン・ブルー」からもどうぞ。

 

【日下田藍染工房】
〒321-4218栃木県芳賀郡益子町城内坂1番地
TEL0285-72-3162 FAX0285-72-3983
OPEN 8:30~17:00/定休日 月曜日

【エセルに誘われて・・・ 日下田正とエセル・メーレ】展
開催場所:益子陶芸美術館(〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町大字益子3021)
開催期間:2016年10月30日(日)-2017年1月29日(日)
休館日:月曜日(1月9日は開館)・12月25日~1月2日、1月10日
開館時間:9:30~16:00(入場15:30まで)

–詳しい内容・お問い合わせは–
益子陶芸美術館 電話:0285-72-7555
ホームページ http://mashiko-museum.jp/
入館料:大人600円・小中学校300円(20名以上の団体割引あり)
65歳以上は300円(要証明)

益子は「陶芸とアートの町」と呼ばれ、たくさんの陶芸家だけではなく、日下田藍染工房さんのように歴史のある工芸や新しい作家さんもたくさん活躍しています。益子舘のギャラリーWAKUでも地元益子の才能ある若手アーティストの作品をご紹介しています。益子焼のゆるぎない伝統の中に、繊細なのに大胆な新しさを感じさせる、「ニュー益子クオリティ」ともいうべきセンスに触れてみてください。

【益子舘里山リゾートホテル ギャラリーWAKU】
〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町字益子243-3 益子舘内
OPEN 一般の方 15:00~17:00/宿泊の方 いつでもご覧いただけます

投稿日:2016/12/14 カテゴリー:こんなとこましこ

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