益子舘

いちご王国
  • 日本のホテル・旅館100選
益子舘ニュース
空室検索

益子の地酒『外池酒造店』


冬の空気が濃くなってきた12月。冬ならではのレジャーも楽しみだけれど、ちょっと籠って大切な人との温かな時間を過ごすのもいいな。そこに美味しいお料理とお酒があったらなお最高!という方もいるのでは?冬は忘年会や新年会でお酒を飲む機会も増えますよね。今回は、そんな機会の多いこの季節にオススメの益子のお酒をご紹介します。

010

益子焼で有名な益子に、この土地のお酒「地酒」があることをご存知ですか?
それは、益子唯一の酒蔵「外池酒造店(とのいけしゅぞうてん)」で作られています。益子に来たことのある方なら聞いたことがあるのではないでしょうか。この「外池酒造店」さんのお酒、なんと今年の関東信越6県の酒蔵を対象とした鑑評会「第88回 関東信越国税局酒類鑑評会」の「吟醸酒の部」において、「燦爛 大吟醸」が栄誉ある「最優秀賞(首席)」を受賞。さらに「純米吟醸酒の部」では「燦爛 純米大吟醸」が、また、「純米酒の部」では「望 bo: 生もと 純米」が、それぞれ「優秀賞」を受賞ました。とってもすごい酒蔵さんなのです。

004
(6代目杜氏小野誠さん(左)と店長の宮田諭さん(右))

今回は今年のお酒の仕込みも始まり忙しい冬を迎えられた「外池酒造店」さんに行ってきました。
1937年に益子の地で創業した「外池酒造店」さんには、この日も県外からのバスツアーの方が酒蔵の見学に訪れていました。陶器だけではない「益子の魅力」を伝えたいという思いから「益子の観光地」としても力を入れている外池酒造店。毎年数万人の観光客が訪れます。売店はもちろんのこと、見学コースやお酒の仕込み水で入れたコーヒーや酒粕を使った「酒粕てら(さけかすてら)」などのスイーツが楽しめるカフェも併設されていて、益子を訪れたら一度は足を運んでみたい場所です。

バスツアーの一行がまず楽しんでいたのは、見学コース。
蔵人さんが「外池酒造店」の歴史やこれまでのお話などをしながら酒造りの工程を案内してくれます。この日のお客様はノリがよく、蔵人さんとテンポよく掛け合いをしながら大爆笑。涙を流しながら笑っている方もいました。かと思えば、酒造りの歴史や方法を聞きながら深くうなずかせるような場面も。躍動するエンターテインメントのようで、お客様も魅了されていました。蔵人さんがこんな素敵な笑顔でいろんなお話をしてくれます。この方に会いに行くだけでも楽しい気分になっちゃいますよ!そんな風に楽しみながら、蔵の中で使われている大きなタンクや樽などを実際に見たり酒造りの工程や歴史も知ることが出来る見学コース。見学した後には試飲させていただけるのですが、説明を聞いたあとだとなんだか味も深く味わえるような感じがします。「知って」から飲むお酒は一味も二味も違ってなんだか深みが増したような気がします。

002_2

お酒造りと言えば「杜氏」さん。親方的存在というとわかりやすいでしょうか。杜氏というと「おじいさん」をイメージしてしまいそうですが…「外池酒造店」さんの6代目杜氏を務める小野誠さんは現在37歳。
高校卒業後からお酒の仕事に携わり、37歳にして人生の半分をお酒とともに歩んでいる方です。お酒を飲めない10代、瓶のラベル張りから始まり、「米と水でどうしてお酒が出来るんだろう」という興味から「酒造り」にどんどんのめりこんでいったそうです。先代の杜氏のもと仕事を学び、杜氏を引き継ぎ、この若さで南部杜氏、さらには下野杜氏の資格を持っておれらます。

005_2

6代目杜氏の小野誠さんにお話を伺いました。
小野さんのお話の中で印象に残ったのは「お酒造りは子育てと同じ」ということでした。
酒蔵の中にある大きなタンクの中で発酵しながら生きている醪(もろみ)。その姿はまるで赤ちゃんのようです。「樽の中の状態を見ながら、醪の状態にに合わせてガスを抜いたり温度を調節したりと手をかけていく。それはあやして寝させてあげたり、背中をトントンとしてゲップを出させてあげるのと同じようなこと。」とおっしゃる小野さん。ご自身にもお子さんがいるとのことで、お酒造りと子育てを重ねてお話くださいました。今回は特別に蔵の中も見学させていただきました。入った瞬間からふわーっとお酒の香りがする静かな蔵の中は、とても静謐で、それでいて何だか静かな熱気を感じる場所でした。小野さんをはじめ酒造りのために集まった杜氏さんたちが真剣にお酒造りに向き合っているその熱気と、生きているお酒のエネルギーにあふれているようでした。

011

低温で発酵させる日本酒は、7度から11度くらいの間というわずかな温度の範囲内で育てていくというから、その作業はとても繊細なもの。気温の変化や醪の状態を見ながら3日かけてやっと1度変化させていくような細やかさが必要です。タンクの周りに流す冷水のバルブをちょっとでも開けすぎてしまって思う温度変化にならなかったら、それだけで樽の中の醪はバランスを崩してしまうそうです。仕込みのこの時期は、休みなく樽の中の状態を確認する毎日が続くそうです。4月まで気が抜けない作業を行い、手塩にかけた美味しいお酒ができあがるのですね。

そんな手間暇かけて作られたお酒。たくさん種類があってわからないなという方がまず楽しむためにはどうしたらいいですか?と伺ってみました。小野さんがおっしゃったのは「まずは地元のお酒から楽しんでみたらいいと思いますよ」ということ。その土地で生まれたものをそこで味わうというのは、その土地全体からエネルギーを頂くという感じがしますよね。土地のものを活かし、その地で最高のものを作っている人たちがいる。ご自身がそうであり、そしてそれを知っているからこその「地元のお酒から」という言葉なのだろうなと思いました。まずは地元のお酒から。次は何かのご縁で訪れたその土地のお酒を楽しんでみる。「お酒を知る」と「その土地を知る」は同義で、そうすることでより深く知ることが出来るのだと思います。そうやってだんだんと世界を広げながらお酒を楽しめると面白いですね。お酒選びに迷ったらぜひ「その土地のもの」を選ぶきっかけにしてみてください。

001

「水と米でどうしてお酒が出来るんだろう」という興味からのめりこんだ小野さんのお酒造りは19年目を迎え、今は杜氏として責任のある立場にいらっしゃいます。「いいお酒をつくる」「伝統を守る」という責任感や重みを感じられていて、そこに面白さや怖さ、喜びを感じているとのことです。「益子は陶器で有名な町だけれど『益子には燦爛(さんらん)といういいお酒がある』と言ってもらえるようになりたい」と力強くおっしゃっていました。「20歳になって初めて飲むお酒が地元で金賞を受賞したお酒だったら嬉しくないですか?」とおっしゃる小野さんの目は、まだまだ先を見据えているようで、外池酒造店さんのこれからもますます楽しみです。

さて、外池酒造店さんを訪れたら見学コースの次に売店に立ち寄ってみましょう。
店長の宮田諭さんにオススメを伺いながらお店の中も見せていただきました。まず入ると金賞を受賞した「燦爛 大吟醸」が出迎えてくれます。そして新酒も並んでいます。昔は蔵人しか飲めなかったしぼりたてのお酒は、この時期(1月くらいまでだそうです)にしか味わえないもので、新酒ならではのフルーティーで荒々しさが味わえます。通常のお酒は加熱処理をして酵母の働きをとめるそうなのですが、この時期の新酒は加熱せずフィルターも通さないので味わいが違うそうです。

003

店長の宮田諭さんのオススメは辛口の「燦爛 郷のめぐみ 純米吟醸生原酒」。宮田さん曰く「後味もあまり残らないとても飲みやすいお酒」なのだそうですが、周りの方に勧めると「玄人好みの味」と言われてしまうとか。辛口でこのお酒は18度で度数が高めなのでどっしり来るお酒とのことです。日本酒好きの方はこちらがオススメです。
奥には併設しているカフェ「湧(わく)」があります。こちらには利き酒セットもありますのでぜひ試してみてください。新酒には新酒の、熟成されたものにはその旨さの違いがあるんですね。飲み比べるまで実感としてよくわかっていませんでしたが実際に試してみると、ワインのようにフルーティーに香るもの、香りはそこまでは感じられないけれど口に含み深く香るものなど素人目にも感じる違いがありました。お酒の説明書きを読んだだけではわからないことも、実際のお酒を香り味わってみると「感じる」ものがあります。わからないことはスタッフの方に聞くと色々と教えてくださいますし、ちょっと気軽な気持ちで試してみると「お酒ってこんなに違うの」と、世界が広がりますよ。

お酒は飲めない!という方でもご心配なく。ギャラリーカフェ「湧(わく)」では、お酒の仕込み水で入れたコーヒーや酒粕をつかった「酒粕てら」などのスイーツを楽しむことができます。また酒造りの工程を紹介したVTRが流れていたり、お酒を美味しくいただく益子焼の器などもありますので、どなたでも楽しめます。

006_1

また、お酒以外のおみやげ物も充実しています。
特に女性が注目したいのは日本酒を使った化粧品です!その名も「蔵元美人」。
日本酒はお肌にいいとか、お米と麹を扱う杜氏さんや蔵人さんの手はしっとりとつやつやしているというのを聞いたことはありませんか?そんな酒蔵ならではの、お米やお酒を使った化粧品が販売されています。化粧水から石鹸から始まり、ハンドクリーム、オールインワンタイプの乳液や美容オイルなど一通りの基礎化粧品がそろってしまいます。今人気があるのはAmazonの美容液部門で売り上げ第一位になったこともある「コメ油」。こちらはお酒造りに使うお米の米ぬかから微量にとれる油だけを原料に使った無添加の化粧用オイルです。香りはほとんどなく、オイルと言ってもべとつかず軽すぎず重すぎない使い心地です。化粧水に少し混ぜて使うのがオススメの使い方とのことです。個人的に取材から数日試してみましたが、化粧水の前のブースターとして使うとしっとり感が続く感じ、手先や踵など乾燥のひどい部分にはそのまま塗っても大丈夫そう。とてもしっとりとするけれど重くなく使いやすいです。(筆者の個人的な感想です。)お米の油以外の原料が使われていないので、小さなお子さんのいるお母さんでも安心ですね。

008

「蔵元美人」はコメ油以外の化粧品も植物由来の成分を使っていて化学成分が使われていないとのことで敏感肌の方にもオススメとのことです。若い方に人気なのは、日本で最大の生産を誇る栃木県産苺「とちおとめ」(いちご果実水)を配合した「とちおとめはんどくりーむ」だとか。ほんのりとお酒の香りがする「杜氏さんの手のヒミツ」と書かれた「蔵元美人なめらかハンドクリーム」とはまた違い、甘酸っぱいイチゴの香りがほんのりのするこのクリームは特に女性におすすめ。ビタミンCたっぷりのいちご成分が美肌効果を高めてくれます。他にも化粧水や乳液、洗顔料なども外池酒造店さんの売店にはそろっています。日本酒のような瓶に入っていたり、米を思わせる白い地に筆文字で描かれた文字は大人の女性にも喜ばれそうなデザイン。大切な方へのお土産品としても喜ばれるおしゃれなパッケージのデザインです。

006_3

——————————————————————-

昔は米どころで米を作り終えた杜氏さんが蔵人を引き連れて酒造りにやってくるという方法が主だった酒造り。杜氏の世界でも高齢化が進んだことや、冬でも働く場所が出来るなどの技術的な進歩などもあり酒造りの状況はどんどんと変わってきています。酒造りの方法についても情報化社会のなかで広く知られるようになり、また研究者の手で科学的にも説明がなされるようになってきました。数値だけで言えばだれでもお酒が造れる時代です。そんな中で外池酒造店さんは手作りという伝統を守りつつ、若い杜氏やスタッフさんの力を信じ、そして選ばれた人たちはそれぞれの責任をのびのびとそして真剣に全うしている。これは、古くからの伝統を重んじながらも積極的に若い力を取り入れ新しい文化を作っていく益子の地らしさなのだと思います。「僕はすべてをできないから、出来る人がきちんとやってくれたらいい」と外池社長はおっしゃっていました。委ね任せる。任されたものはそれに真剣に取り組み結果を出す。伝統と若い力の融合で、ますます面白くなる外池酒造店のこれからが見逃せません。

009

今回「外池酒造店」さんにお伺いして一番感じたのは、みなさんこの益子という土地で誇りをもってお酒を造られていること。そしてそのお酒を大切に愛しているんだなということでした。そして「いいお酒」を造りたいという思いと同時に、それを囲んで人の輪が広がり笑顔が広がって欲しいと願っているということ。「人と人とのふれあいの中に、そこに美味しい益子の「燦爛」があったら最高ですよ」という外池社長の言葉には、益子という地を大切にしながらお酒と人を愛する熱い思いが感じられました。

007

代表取締役の外池茂樹さんは益子町観光協会の会長もされています。
今回はお忙しいところありがとうございました!

 

益子の酒蔵「外池酒造」
株式会社外池酒造店
栃木県芳賀郡益子町大字塙333番地1
電話 0285-72-0001 Fax 0285-72-0003
ホームページ http://tonoike.jp/

益子のお酒「燦爛」は益子舘でもお楽しみいただけます。夕食時にご用意がありますので、ぜひ丁寧に調理した益子の食材とともにお楽しみください。益子での大切な方との思い出が忘れられないものになると思います。気に入ったお酒は、ぜひ外池酒造店さんで。見学コースを楽しみ、お酒や酒蔵のことを知ると、ご自宅でもまた違った味わいかたが出来ると思います!

投稿日:2017/12/13 カテゴリー:こんなとこましこ

category

category

宿泊プラン一覧はこちら

益子舘の夢

益子舘の社員バンド Shine's

ギャラリーショップWAKU

森のエステFUWARI

里山の食卓 食事処

北関東自動車道開通でグッと近くなりました

益子舘へのアクセス

里山のたび

女将ブログ

動画でみる益子舘

人生に乾杯

関東やきものライナー

スタッフブログ

益子舘LINE