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益子舘ニュース

益子の夏祭り「益子祇園祭」


今年も7月23日~25日の3日間、益子の夏を彩る「益子祇園祭」が行われ、益子の町が夏の暑さをも超える熱気に包まれました。

祇園祭は、1705年頃疫病が流行し人々は命を失い作物は害虫にあったため、天王信仰により祭りを行い怨霊や疫病を沈めたことに始まると祭りとのこと。益子では毎年同じ日程、7月23日~25日に行われています。現在は5町会が毎年当番制で、当番町には御仮屋が設けられ神社より神輿の渡御が行われます。今年は梅雨明けが早く、暑い日も続いていたので気分はすでに「夏!」といった感じでしたが、益子の祇園祭は伝統を感じさせると同時に「夏が来た!」と感じされてくれる熱気あふれるお祭りです。

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益子祇園祭は23日「出御祭」から始まります。神様が御神輿で御仮屋まで移動します。子供たちの神輿も続きました。この日、埼玉県熊谷市で41.1度を観測し、過去最高記録を5年ぶりに更新しました。ここ益子でも猛烈な暑さの中ではありましたが、厳かに祭りの始まりが告げられました。

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23日夜には今年で14回目を数える「手筒花火」の打ち上げが行われました。

手筒花火は、徳川家康生誕の地・三河地方を起源とするもので、徳川家康が天下統一の後17世紀初めに花火を打ち上げたのが始まりとされています。地元有志で構成される「下野手筒会」は、東三河地方で継承されてきた手筒という伝統文化を、家康が眠る下野の地で後世に伝えることを目的として結成されました。陶芸の町益子は、昔から火とともに暮らしてきた地域です。この手筒花火は、火の神が宿るこの地で古くから続く祇園祭を盛り上げるため、平成17年から祇園祭で打ち上げが始まりました。

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開幕の挨拶では、益子町の大塚町長の「益子の祇園祭は曜日は関係ありません!」というお話から笑いがおこり、また祭りを盛り上げる当番町である新町の副頭からは、日中の準備では履いている足袋の底が溶けるほどの暑さだったという話もありました。皆さんの言葉からは、氏子地区5町会(新町・田町・道祖土・城内・内町)をはじめ益子町の皆さんが益子の夏を盛り上げよう!という気合いや意気込みが感じられ、この日を含む3日間がとても楽しみに感じられます。

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開幕の挨拶の後は、益子町のイベントでおなじみの天人疾風の会による和太鼓の力強い演奏、笛の音が鳴り響く五人衆のパフォーマンスが太陽が沈み月が輝き始める会場を盛り上げました。

そしていよいよ、花火の始まり。打ち上げ花火が空を彩り会場の皆さんから「うわー」という声があがり、続いてメインイベントである下野手筒会による「手筒花火」の打ち上げが行われました。鹿島神社の御神火を種火として、長さ約80センチ、直径約20センチの筒に火が入るとそこからは8mにも達するという火柱があがり、会場からは歓声があがりました。火の粉が降る中、微動だにせず筒を持ち立つ姿はとても勇ましく凛々しく気持ちの良いものです。最後に「はね」と呼ばれる爆発が起こり大きな音が響き渡ると、会場の声はより大きくなりそして拍手が起こりました。2~3人ずつ全9クール、合間には太鼓の音が響き渡り会場を盛り上げます。最後には片手で持つ小型の手筒花火「羊羹」の打ち上げが行われ益子の夏を彩る手筒花火が幕を閉じました。

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打ち上げ後の手筒は、暗闇に潜む悪霊(疫病、災害)に炎の光を照らし追い払う「魔除け」、その筒に2度と火が入らないことから災厄が家屋へ浸入するのを防ぐ「厄除け」、また過酷な火の中をくぐり抜けた証と鮮やかに火が上昇する「商売繁盛」を願いを家の軒先に置くとよいそうで、手筒グッズコーナーで思わず小さな「羊羹」を手に入れてしまいました。

続く24日には、江戸時代から伝わる、町指定の民俗文化財である「御神酒頂戴式」が行われました。この儀式は当番町の受け渡しの儀式となるもので、今年の当番町である新町の約30人が2杯を飲み干し、来年の当番町となる田町の10名が3杯を飲み干します。大杯に注がれるのは1年365日になぞられた3升6合5勺(約6.5リットル)の大杯に注がれた熱燗で、それを飲み干すことにより五穀豊穣や無病息災などを祈願します。

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杯に手にすることが出来るのは最後の一人だけ。他の人は頭と頭を突き合わせ口を寄せて燗酒を飲んでいきます。神妙な面持ちですが、実は応援の声が上がったり和やかな雰囲気でもあるんです。すべてが飲み干されれ杯が掲げられると大きな拍手が起こり、当番町の引継ぎが終わります。

関東三大奇祭のひとつに数えられると言われるこの「御神酒頂戴式」は、益子の町で受け継がれるこの祭りや伝統を感じる儀式です。なんとも言えないおもしろさのある儀式なのでぜひ一度は実際に見ていただきたいです。

最終日25日は午前中に還御祭が、夜には御上覧が行われ「益子祇園祭」を締めくくります。

午前中の「還御祭」は今年の当番町である新町の御仮屋で行われ、その後各町の屋台と花馬が鹿島神社まで運行されました。この日も益子駅前や城内坂を各地区の屋台が動き回りお囃子が鳴り響きます。

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御上覧が始まるのは夜の10時過ぎ。各町の屋台が一同に会します。御上覧は鹿島神社の前で拍子木に先導された屋台が3回前後に往復し、そして屋台を傾け勢いよく回ります。それを各地区の屋台が順番に行い、屋台の神前奉納の儀がとりおこなわれました。

お囃子の音が鳴り響きく中、拍子木の音に合わせ前後に動く屋台の姿は、動きはとても静的ですが緊張感があります。その雰囲気に圧倒され観客も固唾を飲んでその様子を見守っていました。そこからにわかにお囃子の音が賑やかになり緊張感が高まったかと思うと、大きな屋台を斜めに傾け回り始め、そのエネルギーを周りに見せつけているかのようでした。各町ごとに特徴のある屋台が美しく、お囃子の音色や雰囲気も少しずつ違い見入ってしまいます。

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益子は伝統と新しいものの融合で新しい文化を作っている町。平成17年から始まった「手筒花火」と江戸時代からつづく「祇園祭」は見事に新しい益子の文化を作っています。この夏の祭りは、子供からお年寄りまで多くの世代の益子の人に愛され守られ、そしてしっかりと受け継がれていくのだと、たくさんの笑顔を見ながら感じたそんな「夏祭り」でした。「益子を盛り上げたい」「伝統を受け継いでいく」「守っていく」、そんな声が多く聞かれた3日間、そんな熱い「益子の夏」を、ぜひあなたも来年は体験してみてください。

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-益子祇園祭-
【日程】7月23日~25日 毎年同期間開催
【場所】益子町内
【電車】真岡鐵道益子駅から徒歩10分
JR宇都宮駅から東野バス益子行きで「鹿島神社前」下車
【車】北関東自動車道桜川筑西ICから約20分
または真岡ICから約25分
【高速バス】秋葉原から高速バス関東やきものライナーで約2時間30分
【お問合せ】
鹿島神社 TEL:0285-701120
http://www.kashimajinja.com/
益子町観光協会TEL:0285-70-1120

2018年益子祇園祭の情報はこちら
http://blog.mashiko-kankou.org/staff/?p=13720

投稿日:2018/07/26 カテゴリー:こんなとこましこ